小売・流通業界の在庫管理の重要指標、交差比率について解説!~計算方法や具体的な活用方法など~
小売・流通業界の在庫管理の重要指標、交差比率について解説!~計算方法や具体的な活用方法など~
交差比率について
今回は小売・流通業界でよく使われる「交差比率」について解説していきます。
この指標はおもにスーパーやアパレル、ホームセンターなどで適正な在庫管理のために用いられています。正しく理解することで適切な在庫数量だけでなくどの商品がどれだけ儲かっているかがわかります。
自ら余剰在庫を意識し、在庫消化を促進させる
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・アナログ作業による在庫管理で業務負担が大きくなっていないか
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交差比率とは
交差比率とは「在庫がどれだけの利益を上げているのか」を見るための指標です。
利益と売れた回数に着目した交差比率を用いることで、売上だけでは判断できない、販売効率の良い商品を見つけることができます。
交差比率の計算方法は以下のように計算できます
交差比率(%)=粗利益率×商品回転率
ここでいう粗利益率と売上高に対する粗利益の割合のことを指しています。
この数値が高いほど、商品の収益性が高い=儲かる商品だということが分かります。
粗利益率=粗利益÷売上高
また商品回転率とは一定の期間で在庫が何回入れ替わったかを表す数値です。商品回転率が高ければそれだけ効率よく在庫を回すことができていると判断できます。商品回転率が低ければ在庫の量が変動しにくく、売れ行きが鈍化していることが把握できます。
商品回転率は以下のように計算できます。
商品回転率=売上高÷平均在庫高
平均在庫高は期首の在庫高と期末の在庫高を足して2で割ることで求めることが可能です。
平均在庫高=(期首在庫高+期末在庫高)÷2
交差比率の目標値
交差比率は業界によって大きく数値が異なるため、広く一般的に用いることができる数値ではないが、目安となる数値は200%以上だと言われています。この目安の数値を踏まえて自社が所属する業界と自社の実績を比較することで達成すべき目標を設定することが重要です。
交差比率は高ければ高いほど儲かっているという指標となります。在庫回転率×粗利率によって算出される交差比率は、在庫を少なく持ちどんどん入れ替わる商品ほど高くなり、収益性の高い商品ほど高くなるためです。
同じ交差比率でみる儲け方のパターン
同じ交差比率でもビジネスモデルや商品の種類によって3つのパターンがあると言われています。
それぞれのパターンによって儲け方や取るべき施策の方法が異なります。
薄利多売
例:交差比率(210%)=粗利益率(15%)×回転率14回
ディスカウンター(安売業態)の儲け方です。
利益率を下げてでも大量に販売することで目標の交差比率を達成させることが可能です。ただしそのぶんの大量の在庫をコントロールしなければならず、欠品や余剰在庫など細かくチェックする必要があります。
中利中売
例:交差比率(210%)=粗利益率(30%)×回転率7回
日用雑貨などの日消耗品に代表される儲け方です。
商品は地味であまり目立たないものが多いですが、コストもかからず、売上は小さいものの着実な利益を残します。目立たない商品が多いため売れ行きや感覚などから見つけ出すのは難しいとされています。交差比率を用いることでそのような商品を発見し、しっかりと売り場を確保することが大切です。
厚利小売
例:交差比率(210%)=粗利益率(60%)×回転率3.5回
高級ブランド品やヘルスケア商品・自動車や宝石などの儲け方です。
このような商品はブランド力などの付加価値が付随しがちなため、価格競争に巻き込まれにくい一面もあります。高い利益で稼ぐことができる一方、陳列するだけでは売れない商品が多いです。宣伝にも工夫が必要で、接客に関しても十分な知識を持ち、的確なコミュニケーションをして初めて売れるようになります。
交差比率を上げる方法と注意点
交差比率は粗利率と在庫回転率を掛け合わせたものです。なので「粗利率を上げる」か「在庫回転率を上げる」ことにより交差比率が上昇します。
粗利率を上げる
粗利率は 粗利益÷売上高 で計算でき、粗利益は 売上高-商品原価 で計算できます。
つまり粗利率を上げるには
・売上高を上げる(商品単価を上げる)
・商品原価を下げる
の2つの方法があります。
商品単価を上げるともちろん利益は増えますが、その分売れ行きが悪くなることも懸念に入れる必要があります。単価を上げた以上に回転率が下がれば、結果として交差比率が下がり本末転倒の事態になりかねません。商品単価を上げる際は競合他社にない付加価値をつけるなど差別化や工夫が必要です。
商品原価を下げるには仕入れ先と交渉をして仕入れコストを下げる、材料を費用が安いものに見直す、製造や加工の工程を見直してコストダウンをするなどの方法があります。
商品回転率を上げる
商品回転率を上げるには
・売上高を上げる
・在庫高を下げる
の2つの方法があります
売上高を上げるには販売機会を増やす・売り場を変えて目立つように陳列する、ECであればSNSなどを活用して集客するなどの方法があります。
在庫高を下げるには適切な在庫管理が必要です。現在売れ筋の商品の在庫高を無理に減らすことは販売機会の損失に繋がるため慎重に行う必要があります。注目すべきは売れ行きが悪く余剰在庫になってしまっている在庫です。交差比率が低く長期間倉庫に眠っており、今後も販売が見込めないような在庫に対しては大幅な値引きをする、ファミリーセールをする、現金問屋へ卸すなど今までの販売とは違う方法でアプローチしましょう。
ただ、商品ごとにステータスはバラバラです。売れていないように見える在庫も、シーズン物などは季節が1周することで売れ始めるかもしれません。逆に食品や流行ものは定められた期間中に売り切らないと余剰在庫になる可能性があります。今ある在庫が余剰在庫なのかどう判断すればよいのでしょうか。そこで販売日数と消化率などで総合的に分析し誰でも簡単に余剰在庫を把握できるツール。それがLTV-Zaikoです。
LTV-Zaikoは在庫全体の可視化が可能なツール
LTV-Zaikoを使うことによって今ある在庫を販売開始日からの経過日数と消化率を計測し、独自に定めた7象限に自動的に振り分けます。
これにより商品の好調・不調を分かりやすく可視化する子が可能で、余剰在庫も簡単に見つけることができるようになります。
SKU単位での商品登録設定もできるので、季節性の高い商品は早めの終売設定をしたり、定番商品は入荷ごとに閾値を設定し直したりできます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。小売・流通業界の在庫管理の重要指標、交差比率について解説させていただきました。販売数や売上高だけでは見えてこない販売効率の良い商品・悪い商品を見つけることが可能です。正しく計算し活用することで売上アップや在庫削減に繋がります。
自ら余剰在庫を意識し、在庫消化を促進させる
ツールをお探しでは
ありませんか?
・定価で販売できる商品を値引きしていないか
・アナログ作業による在庫管理で業務負担が大きくなっていないか
・値引きやクーポンの判断が担当者の勘や慣例頼みになっていないか
企業のEC運用担当者が継続的に、より簡単に「余剰在庫の最小化」の工夫を行うことができ、CV(コンバージョン)や目先の短期的な売上、値引きの施策のみに頼らない粗利最大化の支援を行うことができます。さらにCRMシステム「LTV-Lab」との連携により売れない理由を究明し、アクションにつなげます。是非詳しい機能や特徴をサービスページからご覧ください。