在庫の店舗間移動は積極的に行うべきか？～小売業の多店舗運営における在庫移動の考え方～

店舗間移動とは

在庫の店舗間移動（または店間移動）は、企業や小売業者が異なる店舗間で商品を移動させるプロセスを指します。 適切な在庫量を保つことができれば、販売機会ロスの削減や在庫消化の促進、および顧客サービス向上が期待できます。 ただ、在庫管理は管理する店舗が増えるほど業務、取扱商品数が増え、情報が複雑化します。 また、店舗間移動は余剰在庫・不足在庫を整えるだけでなく、客注品の取り寄せやセールの為の在庫集中など目的は多岐にわたります。 店間移動は慎重な計画と管理が必要ですが、適切に実施されれば経営の維持や粗利の最大化に貢献します。

店舗間移動のメリット・デメリット

店舗間移動することによるメリット・デメリットを改めて認識し、理解を深めます。

メリット

売上の増加：欠品による販売機会ロスを減らすことで売り上げの増加が期待できます。常に在庫があることにより店舗のスタッフも積極的に接客ができますし、顧客も安心して買い物ができます。

粗利最大化：売れていない店から売れている店に積極的に在庫移動することでプロパー販売率をアップさせます。

在庫消化促進：適切な在庫量が保たれることにより販売量が増え、在庫消化を促進させます。

顧客サービス向上：在庫が不足している場合でも、他の店舗から商品を取り寄せることで、顧客に迅速かつ正確な対応が可能です。

デメリット

輸送コスト：在庫移動をすればするほど商品を輸送するためのコストがかかります。

複雑な管理：多くの店舗を管理する場合、在庫移動の計画や調整が複雑になることがあります。

ヒューマンエラー：在庫の移動、入出庫のたびに情報が変化しやすく、転記ミスなどのヒューマンエラーが起こりやすい業務となります。

適切な予測の必要：需要予測が正確でないと、在庫移動が効果的でなくなる可能性があります。

在庫の店間移動は、需要と供給の変動に迅速かつ効果的に対応するための重要な手段であり、適切な計画と管理が求められます。メリットを最大限に引き出すためには、効果的な情報システムやデータ分析、物流管理が欠かせません。

店舗間移動は積極的に行い、粗利を稼ごう

店舗間移動のメリットデメリットを比べたとき、どちらのほうが経営や利益に貢献するのでしょうか。

デメリットとして最も大きい要素としては輸送コストの増大ではないでしょうか。見込んでいなかった追加コストである配送費用は使わない方がいいというのが多くの物流部門・管理部門の方々が考えられていることでしょう。ただ、セール時期まで売れない店に放置しておくよりも粗利が稼げるなら運賃をかけてでも適時移動してプロパーで販売したほうが良い場合があります。プロパーで売れるのであれば多くの場合で粗利が配送費を下回ることは無いと思います。

プロパーで稼ぐ粗利とかかる運賃を差し引いた時にどちらがより儲かるかを常に意識し、在庫移動を考えてみましょう。

どの在庫を移動させれば良いのか

店舗間移動を積極的に行う場合、商品を選定する作業自体に時間を取られてしまう場合があります。売れている在庫・売れていない在庫を見極めて適切な在庫移動指示出すには【LTV-Zaiko】が便利です。

ZPM（ざいこ・ポートフォリオ・マネージメント）分析

　入荷在庫から不良在庫までを在庫状況に合わせて７つのグループにセグメントし各在庫情報を可視化します。　

　在庫分析の結果はチーム内外の誰でも確認できる事で管理がシンプルになり、マークダウン対象商品の抽出や、分析結果を元にサイト内の商品構成を変更するなど、在庫情報をMD部署以外でも多部署で活用する事が出来るようになります。

　消化率の進捗の悪い商品を売れている店舗へ移動させることでプロパー販売の機会を増やし粗利最大化に貢献することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。店舗間移動を積極的に行うことで輸送経費を上回る粗利を稼ぐ可能性があります。そのためには適切な在庫の選定が不可欠であり、その作業を効率的に手助けしてくれるのがLTV-Zaikoとなります。