過剰在庫の対処法と需要予測の重要性　～各部門の共通の判断基準～

過剰在庫のリスク

在庫日数の基準を定め日々チェックしていたとしても過剰在庫はでてきてしまいます。

過剰在庫のリスクとしては、

・長期的な保管による商品の劣化

・需要ピークが過ぎることによる価値の低下

・資金の固定化

・保管スペース確保や管理費用などの増加

・廃棄の可能性

などが挙げられます。

過剰在庫が出てしまった場合どのような対策をすれば有効なのでしょうか。その方法を考えてみます。

過剰在庫への対策方法

まずは営業部門やマーケティング部門といった販売を担当している部署と連携し在庫を削減する施策を検討することが必要になります。MD部だけで考えず、全部門が共通の基準値をもって在庫を把握したうえで施策を実行します。具体的な対策を考えてみます。

営業活動の強化

営業部門が中心となり、商品の価値を再評価し営業方法を変えてみたり、キャンペーンを実施するなど今までとは違うやり方で販売を見直し・強化を実施します。

値引き販売

定価で売れない場合は値引き販売も検討します。市場のニーズと価格を見直し、目標消化日までに終売できるよう販売計画を立て直します。

買い取り業者へ依頼する

自社で販売するのが難しい場合は、買い取り業者へ依頼するのも一つの方法です。すぐに過剰在庫を処分して現金化することができますし、処分費用を抑えることも可能です。買取業者に依頼する際には、事前に対象商品や費用などについて確認しておきましょう。

廃棄処分

どうしても在庫が残ってしまうという場合は廃棄してしまうことも検討します。廃棄する際は会計上の損失が生じるため慎重に検討する必要がありますが、出荷されれないものを長期間置いておくことで保管費用がかさみ、倉庫のスペースも占有しますし、棚卸しなど手間も発生することになります。

在庫量の把握と需要予測　　　　　　　　　　

在庫量の把握

在庫日数・在庫回転率といった指標設定し、在庫が少なすぎたり多すぎたりしないように常に指標を見ておくことが大切です。ただ、これらはあくまで過去のデータということになります。もちろん過去を分析することは必要ですし過去の実績を見てみなければ自社の実態をつかむことができません。しかし過去の実績を当てはめてそれが現時点、あるいは将来の在庫管理において妥当かというとそうとは言い切れません。在庫管理において本当に必要なことは将来の需要を見極めることです。

需要予測について

将来の需要はどのようにして考えると良いのでしょうか。季節性や消費者のトレンド、業界の動向や自社のマーケティング計画などを考慮し、今後の出荷数を予測するようにします。ただし今後の需要予測というものは正値にあてることができるというものではありません。あくまでも将来のことですので正しい予測値というのはいわば神のみぞ知ることとも言えます。しかし今後の過剰在庫を減らし欠品を極力少なくするための在庫量を維持するうえで将来の需要予測を行うことが重要となるわけです。

需要予測の注意点

需要予測は社内の関係する部署が連携して行うことが重要です。

販売マーケティング部門、生産調達部門、物流部門、さらには資金面に関して問題ないかをチェックするために財務部門なども連携しながら予測を行います。各部門でその予測値を共通認識できるようにします。

販売マーケティング部門ではその予測値を達成できるように営業活動や販促活動を行います。

生産や調達部門では予測に合わせた在庫確保の体制を組みます。

物流部門では予測に合わせた効率的な物流計画を構築しスムーズにものを供給できるような計画を立てます。

もし予測した数量よりも多く需要が見込まれる場合は生産や調達のスケジュールを見直し、欠品や機会ロスを防止しなければなりません。予測値よりも少ない販売量となった場合は早期に需要を喚起したり販売量を増やしたりするようなマーケティング計画を実行できるようにします。

部署間のコミュニケーションを大切にし、連携するために共通の判断基準が重要となってきます。そのためのツールとして【LTV-Zaiko】があります。

各部門が共通の判断基準を持つために

各部門が在庫に対してバラバラな判断を行えば、適正在庫を保つことができず欠品やもしくは過剰在庫が頻発するようになります。在庫管理は、主観的な判断で行うのではなく、客観的なデータによる分析で行わなければなりません。システム導入によって膨大なデータを効率よく分析して在庫状況を可視化できるようにし、どの部門でも共通した認識で在庫量を判断することが可能です。

LTV-Zaikoであれば独自に開発したZPM分析により在庫を様々な変数と実績で７つの象限にわけ、現在庫を可視化でき、商品消化予測KPIにより各商品単位で、完売予測日や不良在庫化可能性等をふまえ評価を自動提示することができます。

まとめ

過剰在庫が発生してしまった場合の対処方法と需要予測の重要性がご理解いただけましたでしょうか。

【LTV-Zaiko】を利用することでどの部署でも簡単に在庫の可視化、商品消化予測が可能となります。