適正在庫の基本　～在庫量が適正かどうかを判断するには～

在庫管理の適正化

なぜ在庫管理の適正化が必要なのでしょうか？モノを販売する企業では基本的に変わらず在庫というものが発生します。仕入れたモノをすぐに販売するケースは別にしても製造する過程においても店頭で販売する場合においても必ずそれぞれの場所で在庫が発生します。それらの在庫量が適正でないと様々な問題が生じることとなります。

在庫が過剰になった場合、販売されるまでの期間が長くなり資金が固定化されてしまいます。また在庫保管するためのスペースが多く必要になり保管費用や管理費用が増加します。最終的に価値がなくなり販売することができなくなると廃棄するためのコストが必要になります。

反対に在庫が不足する場合欠品となるリスクが高くなります。一度欠品が発生してしまうと顧客からの要求に対応できなくなって信頼を失うことになりかねません。急遽調達や生産手配を行うといった余計な手間も生じることになります。そのため在庫量が適正であるのか常に管理することが重要になるわけです。

では在庫量が適正かどうかを判断するにはどのようにしたらよいのでしょうか

適正在庫の為の管理指標

それには社内で基準となる在庫管理の指標を設定し在庫が過剰でないか、逆に欠品のリスクはないか判断できるようにしておくこが重要です。基準となる在庫管理の指標には次のものがあります。

在庫日数

在庫日数とは現在の在庫が一定期間（1日・月間・年間など）の出荷数の何日分あるかを表す指標です。

在庫日数＝在庫数/一定期間の出荷数

例えば1日平均5個出荷するものに対し在庫数量が100個あれば在庫日数は20日となります。

そして本来この在庫日数はいくつが妥当なのかを検討していきます。

出荷数の変動や今後の需要予測、また調達リードタイムや生産ロットなどを考慮し、30日が適正だとか中15日が妥当といった基準を設定します。

在庫回転率

在庫回転率はそのものが月間や年間などの一定期間に対して在庫が何回転したかを表す指標です。

在庫回転率=一定期間の出荷数/在庫数

例えば在庫が月平均して100個あるものに対し月間500個出荷されると5回転ということになります。

在庫日数と在庫回転率は分母と分子が逆になっているもので表されている内容は同じものです。

在庫日数を使用するのか在庫回転率を使用するのかは自社で分かりやすい方を選択していただければ結構です。

平均在庫

在庫数は日々変化しますのでたくさんの商品について毎日の在庫数を都度計算するのは大変だというケースもあるかと思います。

その場合は簡易的に平均在庫を使用して在庫日数や在庫回転率を計算することができます。

平均在庫＝（期首在庫+期末在庫）/2

例えば1月の平均在庫を計算する場合、期首の1月1日時点の在庫が200個、期末の1月31日時点の在庫が80個であれば (200+80)/2 で平均在庫は140ということになります。

いずれにしても基準となる在庫日数もしくは在庫回転率を決め、それに対し多すぎないか少なすぎないかを判断できるようにすることが大切です。

サービス率

サービス率とは顧客からの受注に対し通常のリードタイムで何個出荷できたかを表す指標です。

サービス率＝出荷数/受注数

受注が100個に対し90個出荷できたらサービス率は90%になります。

欠品率

欠品率はサービス率の裏返しの指標で1からサービス率を引いたものです。

上記の例ですと、欠品率は10％となります。

欠品率＝1-サービス率

妥当な在庫量をどう判断したらよいのか

サービス率や欠品率はどれくらいが妥当なのでしょうか。

どのくらいかは自社で基準を決めるようにします。

サービス率は100%が理想。欠品率はゼロが理想だとしてもそれを実現しようとすると常に多くの在庫をもっておく必要があります。

どんな受注にも欠品なく対応しようとするとすべての商品について余裕をもった在庫を確保しておかなければなりません。

そうすると在庫が過剰となってしまう恐れがあります。

そのためサービス率や欠品率はいくつが自社にとって妥当なのかを検討しそれを維持できるように管理することが大切です。

社内の基準を設定

在庫管理に関する指標は自社で扱っている商品について全て一律で同じ値にするものではありません。

調達リードタイムやロット、今後の需要などを考慮して品種別や単品別に基準となる指標を設定するようにします。

海外から輸入されるもの国内で調達されるものあるいは汎用的なもの特殊な仕様のものなど商品の特性を見極めながら妥当と思われる指標を設定していきます。

以上のように在庫管理において基準となる指標を設定しそれを維持できるように販売計画やマーケティングの戦略また仕入れ計画や生産計画などを作成するようにします。

適正在庫を簡単に把握するツール

適正な在庫数を把握せずに勘だけで在庫管理を行えば、余剰在庫だけでなく在庫不足などを招く恐れがあります。在庫管理は、主観的な判断で行うのではなく、客観的なデータによる分析で行わなければなりません。システム導入によって膨大なデータを効率よく分析して在庫状況を可視化できるようになると、余剰在庫も把握しやすくなります。

LTV-Zaikoであれば独自に開発したZPM分析により在庫を様々な変数と実績で７つの象限にわけ、現在庫を可視化することが可能です。

分析にかかる時間と労力

適正な在庫数を確保するためには、発注数の算出方法や需要予測の方法を見直す必要があるかもしれません。販売実績など事実に基づくデータを用いて、商品の特性を理解し、需要変動を捉えられるようになると、適正な発注数を算出できるようになります。過不足ない必要な数だけ発注できるようになれば、余剰在庫を防ぐことができます。

ただ、そのような分析や算出は膨大な時間と労力がかかり、担当者の負荷になってしまいます。LTV-Zaikoを導入いただくと入荷在庫から不良在庫までを在庫状況に合わせて７つのグループにセグメントし各在庫情報を可視化することができます。　

　在庫分析の結果はチーム内外の誰でも確認できる事で管理がシンプルになり、マークダウン対象商品の抽出や、分析結果を元にサイト内の商品構成を変更するなど、在庫情報をMD部署以外でも多部署で活用する事が出来るようになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。適正在庫を決めるためには商品ごとに様々な角度から検討が必要です。

LTV-Zaikoは在庫分析にかかる膨大な時間を短縮し、シンプルに可視化さることで余剰在庫の発生を抑制するツールです。